LearningLog

主に機械学習について学んだことを残していく予定

『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット』

副題:人工知能から考える「人と言葉」

概要

 この本の主題は以下の通り.

「言葉が分かること」と言えるには,少なくとも何ができなくてはならないか.

「言葉が分かる」ということは,少なくとも「何と違う」のか.

イタチ達が「どんな命令も理解して実行してくれるロボット」を開発する物語と解説が各章ごとに展開されていく.

各章では以下のトピックが取り上げられている.何れも「言葉を分かる」ために必要不可欠だが, それだけでは不十分であることが物語と解説で示されてそれを克服する技術が次章で紹介される形式になっている.

  1. 音声認識                  -「言葉を聞き取れること」
  2. 雑談システム           -「自然に雑談ができること」
  3. 質問応答システム    -「言葉の世界から出ないで質問に答えること」
  4. 画像認識                  - 「言葉と五感の情報を結び付けられること」
  5. 推論(含意関係認識)  -「文と文の論理的な関係が分かること」
  6. 単語の意味表現        -「単語の意味の知識を持つこと」
  7. ???                           -「相手の意図を推測すること」

感想

オートマトンチューリングマシンをテーマとした前著『白と黒の扉』や『精霊の箱』では解説量が少なかったが,本書は物語パートよりも解説パートの分量が多くなっている.内容に関してもただ技術を紹介するだけに留まらず,言語学や論理学に触れながら「言葉が分かる」ことについて深く切り込んでいる.

自然言語処理の入門書と思って読んでみたが,思っていたよりも広いトピックを扱っていて良い意味で裏切られた.一度読んだだけでは十分に理解できない程内容が詰まっているため,豊富な引用と併せて今後何度も読み直す一冊になりそうだ.

働きたくないイタチと言葉がわかるロボット  人工知能から考える「人と言葉」

働きたくないイタチと言葉がわかるロボット 人工知能から考える「人と言葉」